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仕事のオファーが絶えないクリエイターに見る ウェブ・セルフ・ブランディングの法則「考える種を蒔く人」vol.5 ≪前編≫

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TURN harajukuで開催しているトークイベント「考える種を蒔く人」は、「デザイン(Design)」の意味を広く捉え、新しいビジネスを生み出している方をお招きしているイベントです。
2016年を締めくくる第5回目は、佐野彰彦(それからデザイン代表/ブランドデザイナー)が、第1回~4回に登壇いただいた4名のゲストの皆さんとのトークセッションを振り返りながら、「みなさんが、なぜ今もファンを獲得し続けているのか」「どのように自身をブランディングしているのか」について、鋭く迫りました。

ウェブブランディングの専門家である佐野の視点から、4名に共通する「法則」を深く掘り下げる解説は、「ビジネスのブランド化」や「プロとして仕事をする醍醐味」など、フリーランスの方にはもちろん、企業内で仕事をされている方にとっても、生き方や仕事に対するヒントやキッカケがちりばめられていました。

後半の第二部では、第2回目のゲストであるスタイリストの綱島伸さんがご登壇!
「人と人の繋がりが生むクリエイティブ力」や「人間性と技術」などをテーマに、ライブ感あふれるトークセッションが繰り広げられました。

今回のイベントレポートは、<前編><後編>に分けて、その模様をお届けいたします!
(Report/杉山久美子@広報)

イベントレポート前編

佐々木拓人さんと守山菜穂子さんのトークセッションより

佐野彰彦(それからデザイン代表/ブランドデザイナー、以下佐)みなさん、「デザイナー」というと、どういうイメージをもちますか?
一般的には「ビジュアルをセンス良く素敵に仕上げてくれる人」というイメージがあると思います。その理解は間違っているとは思わないですし、僕も最終的なアウトプットとして、ロゴやグラフィック、そしてウェブサイトを作っているのですが、それは「狭義の意味」でのデザイナーの領分だと思っていて、「広義の意味」でのデザイナーも存在すると思っているんです。
それは、「仕組みを作って課題を解決している」という、目に見えない部分に深く入り込んいる人です。今年から始まった「考える種を蒔く人」では、その「広義の意味」で、僕が「この人は素敵なデザイナーだ」と思っている方をお呼びして開催してきました。

僕は「ブランディング」と「ウェブ」を専門領域として仕事をさせていただいておりますので、今日はその2つの観点から、4名のゲストの皆さんがどのようにご自身のビジネスをブランディングしているのか、どのようにウェブを活用しているのか、それぞれのトークセッションを振り返りながらご紹介していきたいと思います。


ブランディングの正体

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ブランディングとはそもそも何ぞや・・・ということなんですが、 僕はブランディングとは<差異化>×<価値訴求>であると定義しています。 他とどう違うのか。どんな価値や魅力があるのか…。 それをしっかりと知らしめていくのが「ブランディング」であると考えています。

なぜブランディングが必要かというと、大きく分けて下記3つの目的があるんです。

  • 営業の負担低減
  • 価格決定権
  • 関係強化(社内・社外)

1つ目の「営業の負担低減」ですが、僕もこの仕事を始めたとき、どうやって仕事をもらってこようかと考えましたが、むやみやたらな飛び込み営業とか、際限なく出稿し続ける広告などはやりたくないじゃないですか、できるだけ(笑)。ブランディングがしっかりと確立していれば、そのような行為をしなくて済むと考えています。

2つ目の「価格決定権」は、自分で自分の仕事に値付けができるようになるということです。ブランディングがなされていない場合、お客さんから「言い値」でやらなくてはいけない場面とか、顧客に先に予算を決められてしまうなど、フリーのクリエーターの方だと特によくあると思います。ブランディングがうまくできていると、価格の決定権も自分で握れるようになります。

3つ目の「関係強化」は、社内と社外の2つの視点があります。ブランドはそもそも社外に発信するだけではなく、一緒に働く仲間がいる社内のモチベーションを上げていくという効能もあるんです。 そういう社内外の関係性を強化することで、自分たちのビジネスをやりやすくするのもブランディングの醍醐味です。

では早速、1人目のゲストを振り返りながら実際に見ていきましょう。


第1回目ゲスト*佐々木拓人さん

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佐々木さんは、コンクリエイトデザインの代表としてグラフィックデザインをされています。僕もいくつかのプロジェクトで一緒に仕事をさせていただいています。一方で「PINK FLAG」というDIYプロダクトブランドを立ち上げていて、自社製品を企画・製造・流通・販売まで一人でこなしているという、グラフィックデザインとプロダクトデザインの2つの領域で縦横無尽に活動しているユニークなクリエーターです。

DIYプロダクトブランドの「PINK FLAG」では、ホームセンターなどで売っている2×4の木材にはめ込むだけで、誰でも簡単におしゃれな棚が作れるというユニット金具、「PILLAR BRACKET」が今、大きな話題となっていて、有名なインテリア雑誌でも特集が組まれるなど、人気商品になってます。
コレ、すごく面白くて、実は僕も自宅のあちこちに棚を作って楽しんでいるんです。

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社名の「PINK FLAG」、かっこいい響きですよね(笑)。
このブランド名は、WIREという1970年代のポストパンクと呼ばれるジャンルのバンドのアルバム名から名前を取ったそうです。僕は学生時代に60〜70年代のロックやパンクにはまっていて、このWIREのPINK FLAGも知る人ぞ知る名盤として聴いていました。でも、演奏はひどい(笑)。ほとんど楽器を触ったこともないメンバーが実験的につくった作品で、僕もはじめて聴いた時は「なんじゃこりゃ」って思った記憶があります。
でも何で佐々木さんはこのPINK FLAGを自身のブランド名に選んだかと言うと、「究極のDIY(Do it Yourself=まずは自分でやってみよう)精神で作られたアルバムなんだ」と。
雑誌などでもDIYとよく聞くようになりましたが、佐々木さんは「オシャレ文化」的で「表面的」なDIYではなく、「本気」のDIYの世界を作りたいと考えていた。その概念にピッタリだったのが「PINK FLAG」であり、商品化された「PILLAR BRACKET」だったそうなんです。

ワクワク、ウズウズ、モヤモヤ、ドキドキ、キュンキュン。

「DO IT YOURSELF」な行動を起こすために必要なそんな様々な感情。
そんな感情を沸き立たせることの出来るモノを。

「DO」の中に「THINK」も「CREATE」も、
「FAIL」さえも内包されている、
そんな「D.I.Y.(DO IT YOURSELF)」を!

そんなコンセプトの基、
オリジナルプロダクトを提案しています。

(引用:pinkflag『PINK FLAGとは?』)

このコンセプトの中で、ものすごくイケてると思うのが<「FAIL」さえも内包されている、そんな「D.I.Y」を!>のところです。

皆さんどうでしょう、自社の製品やサービスを作った時のことを考えてみてください。
普通の感覚からすると、棚を作る金具を販売するなんて、クレームが怖いじゃないですか。地震が来て倒れたらどうするの?とか不良品が出たらどうするの?とか。
でも佐々木さんはそういう視点ではないんです。
僕は金具という“完成されたモノ”を売ってるのではなくて、「こんな暮らしをしたい」と自分で考えて、<「FAIL」さえも内包されている「D.I.Y」をするんだ>と。ワクワク、ウズウズ、モヤモヤ、ドキドキ、キュンキュンしながら、自分の意思で行動を起こそうよ!
という、強いメッセージをお客さんに投げかけているんだとお話しされました。つまり、“コト”を自分のビジネスだと定義している。この力強いコンセプトはとても印象に残っています。

もう一つ、興味深いお話しがあったのですが、佐々木さんはグラフィックデザイナーなんですけど、大学では建築を学ばれていたそうなんです。物事の考え方がとても建築的で、デザインするにあたって、建築学で得た知見や発想力を掛け合わせていると僕は感じました。本人は、大学ではあまり真面目に勉強してなかったからそんなことはないと言っていましたが(笑)。
佐々木さんは、「デザインとは、人の行動を変える、感情に基づいて動くという仕掛けづくり。つまり、関数のようなものである」であると言い切るのですが、それを平面的なグラフィックだけでやるのではなく、3D的な考え方も「掛け合わせて」アプロ―チしているわけです。

では、最後に出荷に追われるほど人気が出てきた「PILLAR BRACKET」が、どうやってそのポジションを築き上げたのか、ブランディングの観点から見ていきたいと思います。


ブランディングの法則

ポイントは、4つあります。 1つ目は先ほどご紹介した「スキルの掛け算」、2つ目は「情緒的価値の訴求」です。この「情緒的価値の訴求」はブランディングの観点においてとても大事なポイントで、「ブランディングとは差異化と価値訴である」と前段でお話ししましたが、その「価値」とは「モノがいい」という機能的価値と「すごく気持ちにフィットする」という情緒的価値の2つの観点があります。
例えば、時計の機能的価値といえば「正確に時を刻むこと」なので、ホームセンターで売っている1000円とロレックスとを比べても「機能的価値」としては、大きな差はないと思います。でもその二つの時計を比較すると、明らかに私たちには違うモノと映る。それは何かというと「情緒的価値」という観点なんですよね。

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今、世界で起こっているあらゆる「差」は、この「情緒的価値」によるものが大きくなっています。その点で、実は日本の産業は大きく遅れを取ってしまっている。
日本は高度成長時代から、「機能的価値」の追求で、経済的成功を収めてきたわけですが、この「機能的価値」は、世界的にも差がつきにくくなっています。
一方で、ユーザーのニーズにフィットする「情緒的価値」を磨き上げる努力については日本の多くの企業がなかなかできていなくて、中小企業に至っては、考えたことすらなかったというところが多いのが現実です。だから世界に遅れをとっている業界が多くなってきていると僕は思っています。

佐々木さんがやっていることは、<FAILさえも内包されている>んですよ。
失敗しながらも、自分のアイデアで、自分の手で、生き生きと楽しくやってみよう!、と。
もう、最初っから機能とか保証とかでは勝負していないんですよね(笑)。誤解のないようにお伝えしなくてはいけませんが、だからといってネジが緩むとかはありませんし、機能としても類似商品よりも優れている。でも、そこはあえて訴えない。「あなただけの素敵な暮らしをDIYでつくっていこうよ!」というメッセージを商品を通して伝えている。そこが佐々木さんの成功ポイントだなと思っています。

3つ目は「禁止規定(=やらないことをきめている)」。これもブランディングには重要な考え方です。コンセプトとは、「自分たちは〇〇である」と定義することですが、一方で同じくらい重要な観点が「自分たちは××ではない」と規定することなんですね。
佐々木さんのお話しの中で、「PILLAR BRACKET」の買える場所は、自社のECサイトと恵比寿にある「パシフィックファニチャーサービス」というDIYに特化したパーツショップだけと言うんですね。
ありとあらゆるホームセンターや雑貨屋さんから、販売したいと声がかかるそうですが、あえてすべてお断りしているそうなんです。
何故かというと、このプロダクトの「情緒的価値」をちゃんと伝えられる人にしか卸さないと決めているからなんですよね。その姿勢がぶれないから、販売から今までクレームゼロだそうです。
コンセプトを立ち上げたら、同時に裏側で「やらないこと」もきちんと決めている。これもブランディングにおいて非常に大事な視点です。

4つ目は「自分自身の活動もすべてDIY」。これは佐々木さんの強みでもあるのですが、佐々木さんはグラフィックデザイナーなので、パッケージからウェブサイトまで全部自分で作れるんですよ。そこで経費がかからないし、スピードも早い。これは大きなアドバンテージです。ブランディングを加速させることができているポイントだと思います。

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ウェブの活用

PINK FLAG(佐々木拓人さん)のウェブ活用モデル PINK FLAG(佐々木拓人さん)のウェブ活用モデル

佐々木さんのウェブ活用モデルはInstagramやFacebookなどのSNSをトリガー(きっかけ)にして「こんなものを作りたい!」というお客様を公式サイトへ誘導してそのままECサイトにつなぎ、コンバージョンさせています。 特にInstagramでの展開が面白いです。「#PILLAR BRACKET」というハッシュタグをつけて「こんなの作ったよ」「こうやったら使いやすいよ」など、ユーザー同士がつながり、商品の使い方や魅力を教え合うという世界が作り出されている。
このようにSNSを媒介して公式サイトへ流入させるかたちは、最近流行しているウェブマーケティングの手法ですが、それをうまく取り込んで成功していると紐解かせていただきました。


第二回目のゲストである綱島さんは、第二部のトークセッションの時に紹介しますので、次は第三回目にいらしていただいた守山さんをご紹介します。
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第2回目ゲスト*守山菜穂子さん

守山さんは、「ブランドコンサルタント」という肩書きで活動をされています。
ブランディングに取り組んでいきたい企業と、デザイナーとの間に入り、その企業のブランディングを正しい方向に導いていく専門家です。
企業からブランディングの仕事を請けるという意味では、僕と同業なのですが、守山さんはデザイナーではなく、企業とデザイナーの間の“中立的な”ポジションで、ブランド構築に関するコンサルティングに特化されています。
守山さんと知り合ったきっかけは、僕が昨年執筆した本「経営者のためのウェブブランディングの教科書」の感想を、ツイッターで紹介してくれていて、それから交流が生まれました。

守山さんをゲストにお招きしたのは、守山さんのとあるブログ記事が大変興味深く、僕がそのことについてお話を伺ってみたいと思ったのが、きっかけです。

そのブログの一部をご紹介します。

さて、私がブランドコンサルタントの仕事をしている中でクライアント(企業のブランディング・広報担当者)から、デザインの「セカンドオピニオン」を求められることが非常に良くあります。

「このパンフレット、どう思います? 」
「デザイン会社との契約内容と、金額。」
「客観的に見て、どうですか?」

WEBを全部イチから作り直したいのだが、どう思う?このような質問を、日々、いただいています。
中には、こんな質問も。

「このデザイナーを、信じていいと思います?」

私は基本的に、クリエイターの味方です。また、デザインは問題解決の手法であり「正しいオリエンがあれば、必ず正しいデザインができてくる」と信じています。

(引用:守山菜穂子 | Mint Days─『デザインの「セカンドオピニオン」を求められる』)

僕はデザイナーですので、「このデザイナーを信じていいと思いますか?」という部分は、さすがにヒリヒリしながら読ませていただきましたが(笑)、この「デザインのセカンドオピニオン」というテーマは、直感的に非常に興味深いと感じまして、ゲストにお呼びさせていただきました。

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では、実際に守山さんの仕事を紐解いていこうと思います。まず、企業が自社の商品やサービスをブランディングしたいと考えた時、当然ながらデザイナーの力が必要になります。しかし、デザイナーという人種とこれまで一度も関わったことがないという企業側の担当者はかなり多いはずです。しかも、デザイナーというのは、自分でいうのもなんですが、クセのある人間が多い(笑)。
デザイナーは、仕事であるデザイン制作と、自分自身のアイデンティティがつながっているので、企業側の担当者の言われるがままに、なんでもハイと従うわけではない。そのあたりが、トラブルの要因にもなり得るし、逆に、上手く噛み合ったときは、企業側の想像以上の仕事になったりもする。
さらに、デザインは専門職なので、どんなデザイナーにどのように依頼すればよいのかの知見が企業にはないことも多く、お互いに共通言語のないまま、異国人同士のようなコミュニケーションになっているわけです。
そこの間に入って、企業とデザイナーのいわば「通訳」のような役割を担うことが、守山さんの仕事です。

ご自分ではデザインは作らないですし、いわゆる経営コンサルタントとも違う、「ブランドコンサルタント」。企業のデザイン活用に特化したコンサルティングという職能を持っていらっしゃいます。


ブランディングの法則

ブランドコンサルタントは、新しい職能ですし、一般的にはまだ認知度が低い職業だと思います。しかしながら、守山さんの元にはいつも様々な企業や個人事業主のかたからブランディングに関する相談が入っている。そこには、守山さん自身の「セルフブランディング」のしっかりとした取り組みがあるからに他なりません。「守山さんのセルフブランディング」を紐解いていくと、4つのポイントがあります。

  • 中立的ポジション
  • 新マーケットの発掘(ブルーオーシャン)
  • 商流と逆のコミュニケーション
  • メディア特性に合わせたウェブ活用

一つずつ解説していきましょう。
まず多くの方にとって興味があることだと思いますが、一般的に認知度が低い職業の場合、仕事をどのように取っていくのか、は簡単ではないはずです。
その点において、守山さんの場合は、企業とデザイナーの「中立的ポジション」を取ることで、「新しいマーケットの発掘」を行っています。デザインを活用したいという企業のニーズは当然昔からあるわけですが、一方で、デザイナーとのコミュニケーションが上手くいかずにストレスを抱えている。企業のニーズを「デザインが欲しい」から、「デザイナーと上手くいかない」という深度まで掘り下げて、新しいマーケットをつくっているわけです。なるほど、ですよね。ブルーオーシャン市場とはこのように、顧客ニーズを表面的ではなく、掘り下げて捉えることで見つけられるものだと、改めて勉強になりました。

もうひとつ注目すべきポイントは、「商流と逆のコミュニケーション」をとっていらしゃることです。どういうことかというと、(あ、これは守山さんが直接話していたことではないのですが、僕がそうかな・・・と勝手に思っているのですが)守山さんは企業側からコンサルフィーを頂いていると思うんですね。ですが、ブログ記事にも書かれていたように、基本的には「デザイナーの味方」なんです。

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「デザインがうまくいかないのは、企業のオリエンが悪いからです」と企業側に伝えている。それってとても勇気のいることですよね?
日本のビジネスでは多くの場合、お金を払う側が偉くて、もらう立場はその指示に従うというのが通例です。お金の流れとともに、多少なりとも上下関係が存在してしまう業界は多いと思います。しかし、守山さんのコミュニケーションスタイルはこの逆なんです。「あなたのオリエンテーションがよければ、必ずいいデザインが上がってきます」と言っている。「オリエンテーションを分かりやすくして、デザイナーの力を存分に発揮してもらうためには、商品のコンセプトを見直すことが必要です」と提案することもある。さらにデザイン料についても、「良いデザインをつくっているのだから、もっと自信を持って高く請求したほうがよいです」とデザイナーにアドバイスされることもあるそうです。
そういうコミュニケーションを取ってくれる守山さんの仕事であれば、きっとデザイナーは「守山さんの仕事はやりがいがあるから、次もがんばろう!」と思うはずです。
結果として、よりよいデザインが生まれてくるだろうし、みんなが得をしていく。非常に良いスパイラルができているんだろなと思いました。
ブランディングのプロであると同時に、チーム作りのプロでもあるとお話しを伺いながら感じました。


ウェブの活用

最後に守山さんのウェブの活用方法についてご紹介したいと思います。

守山菜穂子さんのウェブ活用モデル 守山菜穂子さんのウェブ活用モデル

まず、守山さんはしっかりとしたオフィシャルサイトを持たれています。
サイトにはご自身のコンサルタントとしての明確なコンセプトが書かれていますし、守山さんのプロフィールや実績、相談料なども明示されていて安心感があります。さすが、出版社や広告業界で活躍されてきた方のコンテンツだと思います。それと注目したいのはSEO対策もかなり研究されている、ということ。
「企業ブランディング」と検索すると、名だたるコンサルタント系企業の中で守山さんのサイトがきちんと1ページ目に出てきます。タイトルタグとかメタタグなどを見ても「ああ、わかっていらっしゃるな、ウェブマーケティングについて相当勉強しているな」と思いました。
ブログは「はてなブログ」を使っているんですけど、なんではてブを選んだのかを聞いたら、アメブロだと女性のコンサルタント(=競合)が多いと。はてブだと自分のようなポジションの人が少ないから、オフィシャルサイトへの流入が期待できると思い、使っているとのことでした。FacebookやTwitterも積極的に活用されていて、オピニオンとしての意識が非常に高いです。

オフィシャルサイト、ブログ、Facebook、Twitter全部を運用するだけではなく、それぞれのメディア特性に合わせた記事やネタを選んで投稿していて、とても戦略的です。

守山さんのウェブ活用モデルは、佐々木さんとは異なっていて、オフィシャルサイト、ブログ、Facebook、Twitterすべてを、コンバージョンに直結させるかたちをとられています。
全て運用するのは一番パワーがいることですが、それをやり続けているところに、守山さんの志の高さと、オファーが絶えない理由があるようにも感じます。


第3回目のゲストである空間デザイナーでありモルタル造形作家の栗原規男さんと、第2回目のゲストで、今回スペシャルトークセッションをしてくださったヘアデザイナーの綱島伸さんについては、次回の<後編>でお届けいたします!
お楽しみに!

Special thanks   

この記事を書いた人

杉山久美子

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