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ブランディングの第一歩「自社のポジションを把握する」

犬-ポジショニングマップ_ver2

ブランディングプロジェクトの進め方として、以前、当ブログでまずは他社との”違い”を探し、自社の独自性を明確にしていくことが必要だということをお伝えしました。

今回は引き続き、他社との”違い”を探す方法、「ポジショニングマップ」についてご紹介したいと思います。

ポジショニングとは

ポジショニングとはターゲット市場の顧客の心の中に独自のポジションを築いて、イメージを確立する活動を指します。

他社との差別化を実現するために行うもので、例えば、みなさんの心の中にも「Widowsは汎用性が高くて一般的、Macはオリジナリティが高く嗜好性が強い」などのようなイメージがあると思います。ほかにも「マクドナルドはターゲットが幅広く低価格帯、フレッシュネスバーガーはこだわりのある人向けで高価格帯」など、企業はブランドイメージをデザインすることによって、顧客の心の中に独自の位置を築くことができます。

そして、このようなブランドのポジションを他ブランドとの関係として図に表したものがポジショニングマップです。

ポジショニングマップの作り方

前述のとおり、ブランドのポジションを2軸のマトリクスで図にしたものを「ポジショニングマップ」と呼びます。例えば下記は犬をポジショニングマップに表したものです。ポジショニングしても意味はないんですが…

犬-ポジショニングマップ

縦軸には大型、小型を、横軸にはしつけしやすいか、難しいか、を当てはめています。
例えばゴールデンレトリバーは他の犬に比べて、大型でしつけがしやすい、ジャックラッセルテリアは小型だけどしつけが難しいなど、ポジションを相対的に把握することができます。

ポジショニングマップを作成するにあたって難しいのは、縦軸と横軸をどう設定するかということです。ポイントは、あくまで顧客のイメージとしてのポジションを把握することが目的だという点ですので、顧客目線で自社を見たときのイメージを軸にするといいでしょう。

特に自社が他社に比して、勝っている点、劣っている点を軸にすると、現状の把握をするのに役立ちます。例えば自社の強みが「カジュアル」だと思われるならば、対立軸に「クラシック」を設定し、「にぎやかで安っぽい」という弱みがありそうならば「クラシックで高級感がある」といった軸を設定するといった具合です。

ポジショニングマップ作成アプリ: ポジショニングマップ.COMのWEBサイトでは、ポジショニングマップを手軽に作れるだけでなく、いろいろなポジショニングマップの事例を見ることができます。迷った時は参考にしてみてください。

ポジショニングマップの使い方

さて、こうしてできたポジショニングマップをどう使えばいいのでしょうか。
使い方は大きく分けて二つあります。

ポジショニングマップの使い方 その1

一つは、これまで述べてきた通り、自社の現在のポジションを把握するという使い方です。
マップを見ればひと目で漠然としていた自社の業界での位置をビジュアルに把握することができます。特にイメージという感覚的でつかみづらいことを、相対的に把握できるという点は、ポジショニングマップの利点です。自社のWEBサイトやデザインを、ポジショニングマップを使って評価するといったこともできます。感覚を相対化するのには最適なツールと言えるでしょう。

マップにも一工夫加え、ウェブサイトのトップページキャプチャや、ロゴを当てはめてみるとよりビジュアル化できて、いいですよ。

犬-ポジショニングマップ_ver2

△犬のポジショニングマップを可愛らしくビジュアル化した例

ポジショニングマップの使い方 その2

二つ目は、ブランディングの方向性を見定めるための使い方です。
ポジショニングマップを完成させると、大体の場合、市場の中で誰も居ないポジションが見つかります。そのポジションには誰もいないため、競争があまり起こっていないということを意味します。ブランディングの方向性を決めるに当たっては、なるべく競争の少ないところに、自社のポジションを築いていく方が効率的です。ポジショニングマップは競争の少ない空いたスペースを示し、ブランディングの方向性を教えてくれるのです。

まとめ

ポジショニングマップを作るのは簡単そうに見えて、軸をどう設定するか、実は意外に難しいです。一度で誰もが納得するマップを目指すのではなく、いくつかの軸を試しながら、作成していくと徐々に精度があがっていきます。是非チャレンジしてみてください。

この記事を書いた人

永井史威

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