デザイン /

Photoshopを使って画像を壊してみた

Photoshopで色調補正を行う際、頭においておきたいこととして
「色調補正をするたびにデジタル画像は壊れていく」ということがあります。
ちょっと壊れているだけなら見た目にも分かりませんし、品質的にも問題ないです。
しかし、何度も色調補正をやり直したり、許容範囲を超えた補正をしてしまうと見た目にもアウトなレベルで壊れてしまいます。

今回はどんなことをしたら画像が壊れてしまうのか、「ここまでやったらアウト」というラインを実験しながら
画像の壊し方とその原因を見ていきます。

それではさっそく行ってみましょう!

  

「レベル補正」で壊してみる

  白とび  

まずはこの画像を「レベル補正」で壊してみます。

Photoshopの「レベル補正」は、主に画像全体の色調やカラーバランス、シャドウ・ハイライトなどの調整を行う機能です。
ちょっと明るくしたいときや明暗のコントラストをつけたいときに使う事が多いですね。

それではさっそく壊してみます!

  

「白トビ」で壊す!

  

レベル補正で右側の白い三角のスライダーを左の方へ動かしていきます。

  白とびを再現  

ビルの壁や空などが眩しいくらいに白くなってしまいました。
この状態を「白トビ」といいます。

  白とび後  

スポイトで白くなっている箇所の色をとってみると「#FFFFFF」と全く色がないことが分かります。
レベル補正の右側のスライダーは「ハイライト」を調整するスライダーです。このスライダーが左側の色がたくさんある箇所を越えた位置まで移動させたことによって、スライダーより右側の色が飛んでしまったのです。

  

「黒トビ」で壊す!

  

今度はさっきと逆側の左側の黒いスライダーを右側に動かしてみます

  黒とびを再現  

手前の木やビルの壁など今まで影として認識できていた箇所が黒く塗りつぶされたようになりました。
この状態が「黒トビ」です。スポイトで摂ると「白トビ」とは逆に「#000000」。真っ黒です。

  黒とび後  

レベル補正を使って画像を壊してみました。思いっきりやると結構簡単に壊れます。
次はこれらの現象がどうして起きてしまうのかを調べていきます。

  

「白トビ」「黒トビ」の回避方法

  

問題は限度を越えたレベル補正にあります。
レベル補正のダイアログボックスには、「ヒストグラム」と呼ばれる棒グラフが表示されており、黒い部分は画像の色のついている割合で、右側に行くほど明るい色、左側ほど暗い色となっています。

  白とび/黒とびの回避方法_03  

「白トビ」「黒トビ」を回避するには、このヒストグラムの黒い部分に注意して補正することです。
先ほどのように色ついている黒い部分に大きくかぶる補正を行ってしまうと画像が激しく壊れてしまいます。
下の図のように色があまりない箇所までであれば、概ね「許容範囲内」のレベル補正と言えるでしょう。

  白とび/黒とびの回避方法_02-03  

上記の範囲で補正を行った画像。白とびや黒とびはなく、明るくきれいに補正できました。

  ちょうど良いレベル補正後  

逆にヒストグラムの右端から左端までびっしり色が着いてる場合は、レベル補正での修正はリスキー(画像を壊してしまう可能性が高い)と言えます。
また、一度、白トビ/黒トビしてしまった画像は色調補正をしても修正する事はほぼ不可能です。
撮影の際に白トビ/黒トビしてしまっているパターンなど残念でなりません。
自分で撮影をする際などには特に気をつけたいところです。

  

「トーンカーブ」で壊す

   トーンジャンプで壊す  

次はこの画像を「トーンカーブ」で壊してみます。

「トーンカーブ」は、画像全体の色調やカラーを調整することができるPhotoshopの機能です。
例えば、暗すぎる画像を明るくしたり、またはコントラスト調整などにも使用します。
「レベル補正」と比べると、比較的壊れにくいですが補正のやり方によっては壊れてしまいます。

それではさっそく壊してみます!

  

「トーンジャンプ」で壊す!

  

「トーンカーブ」で、コントラストを上げてみます。
具体的には、下図のようなカーブで、該当する「カーブの坂の角度を急に」してみます。
  思いっきりスライド!  

画像に何本か線が出現したのが確認できると思います。これを「トーンジャンプ」と言います。
トーンジャンプが起きた画像のヒストグラムをチェックしてみると、山のカタチが櫛の歯のようになっているのがわかると思います。

  トーンジャンプ後   

「トーンジャンプ」の回避方法

  

「トーンジャンプ」は、本来は滑らかな色や明るさのグラデ-ションがあるのに、極端な補正によって、グラデーションの中間の色がなくなってしまったことによって引き起こされる現象です。
基本は、グラデーションなど細かい色調が含まれている画像はあまりコントラストを上げないと言う事です。

ただ、どうしてもトーンジャンプが起きた画像を補正しなければならない際は、裏技として「ノイズ」を加えるとトーンジャンプを目立たなく出来ます。
詳しくは下記のデジタル@備忘録さんのブログに詳しく書かれていたので興味のある方はご覧ください。

>
デジタル@備忘録 トーンジャンプの修復について
  

まとめ

  

いかがでしたでしょうか?

今回はデジタル画像が壊れ方についていろいろ見てみました。
ただ「なんか変になっちゃった」とかではなく、理由を知っておくことで画像補正も別のアプローチができたり
写真を取る際にも注意ができたりできると思います。

この記事を書いた人

斧山洋平

PAGE TOP